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インフルエンサーマーケティング入門
SNSで商品やサービスを広める方法をわかりやすく紹介
消費者のSNS利用が定着したことで、多くの企業がインフルエンサーを使ったPRを展開しています。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーを通じて商品やサービスの魅力を発信することで、認知拡大や購買促進につなげられる点が大きな特徴です。
一方で、成果を出すためには目的に応じた施策設計や適切なインフルエンサー選定が求められます。
本記事では、インフルエンサーマーケティングの概要からメリット・注意点、主な手法や費用相場、成果を出すポイントまで解説します。
インフルエンサーマーケティングとは
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーを活用したマーケティング手法です。SNSや動画配信プラットフォームなどで多くのフォロワーや視聴者を持つインフルエンサーの影響力を活用し、商品やサービスのPRを行います。
従来の広告は企業から消費者への一方的な情報発信が中心でした。一方、インフルエンサーマーケティングは第三者であるインフルエンサーを介して情報を届けられる点が特徴です。企業による広告発信と比べて、ユーザーに受け入れられやすい傾向があります。
近年では化粧品やアパレル、食品などのBtoC商材だけでなく、人材サービスやSaaSなど幅広い業界で活用されています。認知拡大や購買促進を目的としたマーケティング施策の一つとして、多くの企業に取り入れられています。
インフルエンサーとは?
インフルエンサーとは、SNSや動画プラットフォームなどで多くのフォロワーを持ち、ユーザーの行動や購買意思決定に影響を与える人物を指します。「影響」や「感化」を意味する英語の「influence」が語源です。
従来、広く世間へ影響力を持つ人物といえば、テレビやラジオで活躍する芸能人や著名人が一般的でした。しかし、ブログやSNSの普及により、誰もが情報を発信できるようになったことで、特定のジャンルで影響力を持つインフルエンサーが数多く誕生しています。
インフルエンサーは単にフォロワー数が多い人ではなく、特定のジャンルにおいて高い専門性や発信力を持ち、多くのユーザーから信頼を得ていることが特徴です。近年では、企業のマーケティング活動においても重要な存在となっています。
なお、インフルエンサーはフォロワー数に応じて以下のように分類されています。
| 名称 | フォロワー数 | 特徴 |
|---|---|---|
| メガインフルエンサー | 100万人以上 | 芸能人や著名人など、圧倒的なリーチ力と影響力を持つインフルエンサー。幅広い層へ情報を届けられる一方で、起用コストが高額になる傾向がある。 |
| マクロ(ミドル/トップ) インフルエンサー |
10万〜100万人 | 特定の分野で高い知名度や人気を持つインフルエンサー。多くのフォロワーを抱え、高い発信力を持つ。 |
| マイクロインフルエンサー | 1万〜10万人 | 特定の分野に特化し、高い支持や影響力を持つインフルエンサー。フォロワーとの距離が近い傾向がある。 |
| ナノインフルエンサー | 1,000〜1万人 | 比較的小規模なコミュニティで活動するインフルエンサー。フォロワーとの関係性が強く、高い信頼を得ていることが多い。 |
一般的に、フォロワー数が多いほどリーチ力が高くなる傾向があります。一方で、フォロワー数が比較的少ないマイクロインフルエンサーやナノインフルエンサーは、フォロワーとの距離が近く、エンゲージメント(いいねやコメント、シェアなどの反応)が高くなる傾向があります。
インフルエンサーマーケティングが注目される理由
インフルエンサーマーケティングが広く活用されるようになった背景には、消費者の情報収集方法や購買行動の変化があります。
①SNS利用者の増加と購買行動の変化
従来、インターネット上での情報収集は検索エンジンが中心でした。しかし近年では、SNSを活用して情報収集を行うユーザーが増えています。商品やサービスを購入する前に、InstagramやTikTok、YouTubeなどで口コミやレビューを確認することも一般的になりました。そのため、企業にとっても公式サイトや広告だけでなく、SNS上で消費者との接点を持つことが重要になっています。
②企業発信よりもユーザーの共感を得やすい
企業による直接の発信は「宣伝」や「売り込み」と受け取られやすい一方で、インフルエンサーによる発信は実際の使用体験や感想として自然に受け入れられる傾向があります。
特にフォロワーとの信頼関係が構築されているインフルエンサーの場合、企業発信よりも共感や信頼を得やすく、購買行動につながる可能性があります。
③オンライン販売との相性が良い
オンラインショッピングの普及に加え、SNSからECサイトへ直接誘導できる環境が整ったことで、インフルエンサーマーケティングとオンライン販売の親和性はさらに高まっています。
投稿内のリンクや商品タグ、ライブコマースなどを活用することで、ユーザーは興味を持ったタイミングで商品やサービスを購入できます。認知から購買までの導線を短縮しやすい点も、注目される理由の一つです。
インフルエンサーマーケティングのメリット
インフルエンサーマーケティングには、認知拡大だけでなく、購買促進やファン獲得などさまざまなメリットがあります。
①ターゲット層へ効率的にアプローチできる
インフルエンサーは、それぞれ異なるフォロワー層を抱えているため、商品やサービスに合ったターゲットへ効率的にアプローチできます。例えば、美容系インフルエンサーであれば美容に関心の高いユーザー、子育て系インフルエンサーであれば子育て世代へのアプローチに効果的です。広告配信のターゲティングや検索エンジンではリーチしづらいユーザー層にも情報を届けられるため、それまで接点のなかった見込み客への認知拡大も期待できます。
②消費者目線でレビューしてもらえる
インフルエンサーは、実際に商品やサービスを体験したうえで感想を発信するため、消費者目線のレビューとして受け入れられやすい特徴があります。企業が伝えたい魅力だけでなく、実際の使用感や体験談も交えて紹介されることで、ユーザーは商品やサービスへの理解を深めやすくなります。
③広告感が少なくユーザーが情報を受け入れやすい
一般的な広告は「宣伝」と受け取られ、敬遠されることがあります。一方、インフルエンサーによる発信は普段の投稿の延長として受け入れられやすく、広告色を抑えながら自然に商品やサービスの魅力を伝えられます。特にSNSでは、「いかに自然な形で情報に触れてもらえるか」が重要であり、インフルエンサーマーケティングはその点で有効な施策といえるでしょう。
④UGC創出につながる
UGC(User Generated Content)とは、ユーザーによって作成・投稿されたコンテンツのことです。インフルエンサーの投稿をきっかけに商品やサービスを購入したユーザーが、自身のSNSへ感想を投稿したり、ハッシュタグを付けて発信したりすることで、UGCが生まれる場合があります。UGCは企業が発信する情報よりも信頼性が高いとされており、さらなる認知拡大や購買促進につながる可能性があります。近年では、インフルエンサーの投稿だけでなく、その後に生まれるUGCまで見据えて施策を設計する企業も増えています。
インフルエンサーマーケティングの注意点
インフルエンサーマーケティングには多くのメリットがある一方で、注意点やリスクもあります。あらかじめ理解したうえで、適切に対策・運用することが重要です。
①インフルエンサー選定が成果を左右する
インフルエンサーマーケティングでは、どのインフルエンサーを起用するかが成果を大きく左右します。フォロワー数が多いからといって、必ずしも成果につながるわけではありません。フォロワー属性や投稿内容との親和性、エンゲージメント率などを総合的に確認する必要があります。また、過去の炎上歴や不適切な発言の有無なども事前に確認しておきたいポイントです。インフルエンサーの発信は企業やブランドイメージにも影響を与えるため、自社の商品・サービスやターゲットとの親和性が高いインフルエンサーを選定することが重要です。
②ステルスマーケティング対策が必要
インフルエンサーマーケティングを実施する際は、景品表示法におけるステルスマーケティング規制に抵触しない運用が求められます。ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告・宣伝であることを隠して商品やサービスをPRする手法です。
ステルスマーケティング(ステマ)とは?
概要や問題点、リスク回避のための対策をご紹介
ニュースやSNSでもよく耳にする「ステマ」。商品やサービスを買う消費者様を惑わす、不正なマーケティング手法として知られています。この記事では、ステマの概要や問題点・リスクなどに触れた後、主にインターネット広告を出稿している企業(広告主)様に向けて、行うべきステマ対策をご紹介しています。
景品表示法(景表法)の概要とアフィリエイト広告運用の注意点
インターネットの発達により、消費者と事業者は直接の会話がなくても物の売買や取引がWeb上で簡単にできるようになりました。だからこそ、商品/サービスを提供する事業者には、消費者の方に適切な情報を届け、誤解がないように取引を成立させることが一層求められてます。アフィリエイト広告を開始したけど、どこに掲載すれば良いのか分からないというお悩みを持つ広告主様の参考になれば嬉しく思います。
インフルエンサーにPRを依頼する際には、「PR」「広告」など広告であることが分かる表記を適切に行う必要があります。ステマと判断されると、企業とインフルエンサー双方の信頼低下につながる可能性があります。そのため、事前にガイドラインを共有し、適切な運用を行うことが重要です。
③PR内容のコントロールが難しい
インフルエンサーは企業の担当者ではなく、それぞれ独自の個性や発信スタイルを持つ個人であるため、PR内容を細かくコントロールすることは難しいでしょう。企業側が投稿内容を細かく指定しすぎると不自然な投稿になってしまい、一方で自由度を高めすぎると、訴求したい内容が十分に伝わらないこともあります。企業が伝えたいポイントを整理しつつ、インフルエンサーらしい表現を活かせるバランスが重要です。価格やキャンペーン情報、商品の特徴など、必ず伝えてほしい情報は事前に整理したうえで、表現方法はインフルエンサーに委ねるなど、役割を明確にしておくことが重要です。
④成果予測が難しい
SNSでの施策は、アルゴリズム(ユーザーに投稿を表示するルールやシステム)やトレンドの影響を受けるため、広告配信のように一定の成果を予測することが難しい側面があります。また、同じインフルエンサーを起用した場合でも、投稿内容や投稿タイミングによって再生数やエンゲージメントは大きく変動します。
そのため、単発施策だけで成果を判断するのではなく、複数回の施策実施や継続的な検証・改善が重要です。
⑤炎上リスクがある
不適切な表現や誤解を招く投稿が拡散されると、企業イメージの低下につながる可能性があります。また、インフルエンサー自身の発言や行動が問題視されるケースもあります。事前に投稿内容の確認フローを設けることはもちろん、万が一トラブルが発生した場合の対応方針についても準備しておくとよいでしょう。
インフルエンサーマーケティングの主な手法
ここからは、インフルエンサーマーケティングの主な手法について紹介します。インフルエンサーを活用した施策にはさまざまな種類があるため、目的や商材に応じて最適な手法を選択しましょう。
①タイアップ(商品/サービス紹介投稿)
企業から依頼を受けたインフルエンサーが、商品やサービスを紹介する代表的な手法です。
Instagramのフィード投稿やリール、TikTok動画、YouTube動画など、さまざまな形式で実施されています。認知拡大や商品理解の促進を目的とした施策として活用されることが多く、インフルエンサーマーケティングの中でも最も一般的な手法です。費用はフォロワー数や施策内容などをもとに決定されるのが一般的です。
②ギフティング
商品を無償提供し、インフルエンサーに体験してもらう手法です。投稿を必須としないケースも多く、インフルエンサー自身が商品やサービスに魅力を感じてもらえた場合、自発的に発信してもらえる可能性があります。 比較的低コストで実施できるため、新商品のプロモーションやD2Cブランド(自社ECを中心に商品を販売するビジネスモデル)などでも活用されています。ただし、フォロワー数の多いインフルエンサーほど依頼が集中するため、ギフティングのみで投稿してもらうことは難しい場合があります。
③アフィリエイト広告
インフルエンサー専用のアフィリエイトリンクやクーポンコードを発行し、成果に応じて報酬を支払う手法です。インフルエンサーの投稿をきっかけに成果(購入や申し込みなど)が発生した場合のみ広告費が発生するため、費用対効果を重視する企業にも適しています。
施策は、インフルエンサーと提携しているASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)などのプラットフォームを活用して実施するのが一般的です。
【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告とは?概要をわかりやすく解説
「アフィリエイト広告って、なんとなく聞いたことはあるけれど、どういうものかよくわからない」「アフィリエイト広告の仕組みが理解できない」本記事をご覧の広告主様の中には、こんな悩みを抱えた方も多いのではないでしょうか?
アフィリエイト広告を扱うASPの概要と利用するメリットを解説
アフィリエイト広告を検討している企業の中には、「ASPとは何か?」「どのように活用すればよいのか」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。ASPは、広告主様と媒体(Webサイト運営者)様をつなぐ役割を担うサービスです。成果報酬型で広告出稿ができる点から、多くの企業に活用されています。一方で、仕組みを正しく理解せずに導入すると、思うように成果が出ないケースも少なくありません。
成果報酬型のため、費用対効果を重視したい企業だけでなく、売上やコンバージョンを重視する施策とも相性が良い手法です。タイアップと同様にSNSで商品やサービスを紹介するケースが多いものの、タイアップは投稿に対して報酬を支払うのに対し、アフィリエイト広告は成果に応じて報酬を支払う点が異なります。
④イベント・体験レポート
イベントや施設へインフルエンサーを招待し、その様子を発信してもらう施策です。実際に体験した感想をリアルな視点で伝えられるため、商品・サービスの魅力やブランドの世界観を訴求しやすい特徴があります。新商品発表会などのリリースイベントをはじめ、サロンなどの実店舗を運営する事業や、旅行・観光業などとも相性の良い施策です。
⑤ライブ配信(ライブコマース)
ライブ配信を通じて商品やサービスを紹介し、販売を促進する手法です。最大の特徴は、視聴者とリアルタイムで双方向のコミュニケーションが取れる点です。視聴者からの質問へその場で回答できるため、商品への理解を深めながら購買につなげやすく、エンゲージメント(いいね・コメント・シェアなどの反応)も高まりやすい傾向があります。特に美容・アパレル・食品分野などで活用が広がっています。
⑥アンバサダー施策
インフルエンサーにアンバサダー(公式の宣伝大使)になってもらい、一定期間にわたって商品やサービスについて発信してもらう施策です。単発の投稿ではなく、継続的に露出することで、ユーザーのブランドへの理解が深まり、ファン獲得やブランドロイヤルティの向上につながります。多くの場合、1年契約など、年単位での契約になります。
⑦商品監修(コラボレーション)
商品開発や企画段階からインフルエンサーに参加してもらう施策です。インフルエンサーの知見や世界観を商品へ反映できるため、高い話題性や販売促進効果が期待できます。美容系インフルエンサーが企画した化粧品や、旅行系インフルエンサーが企画した旅行グッズなど、それぞれの専門性や消費者目線を活かした商品を開発できる点が特徴です。
インフルエンサーマーケティングで活用される主なSNS
インフルエンサーマーケティングでは、SNSへの投稿が中心の施策となります。
SNSは、プラットフォームごとにユーザー層や特徴が異なりますので、目的やターゲットに応じて適切な媒体を選ぶことが重要です。
まずは各SNSの特徴を比較表で見てみましょう。
| X | TikTok | YouTube | ||
|---|---|---|---|---|
| 主な投稿形式 | テキスト、テキスト+画像 | 画像、ショート動画 | ショート動画がメイン | 長尺動画 |
| コンテンツ制作コスト (目安) |
低 | 低~中 | 中 | 高 |
| ユーザー層 | 10代~40代まで幅広い | 20~40代、女性が多い | 10~20代が中心、 30代以上も増加傾向 |
10代~60代以上まで幅広い |
| 良い点 |
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| 悪い点 |
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| 向いている商材・目的 | 話題化、キャンペーン、イベント、エンタメ、速報性の高い情報 | 美容、コスメ、アパレル、旅行、グルメ、ライフスタイル | 若年層向け商品、食品、美容、エンタメ、認知拡大 | 美容、家電、ガジェット、自動車、金融、転職、BtoB、レビュー系商材 |
それぞれ詳しく解説します。
①X
Xはリアルタイム性と拡散力に優れたSNSです。キャンペーンや新商品発売時の話題化を目的とした施策と相性が良く、短期間で多くのユーザーへ情報を届けたい場合に適しています。タイアップ投稿に加え、ハッシュタグキャンペーンやフォロー&リポスト(リツイート)キャンペーンなどの施策も実施されています。
- 【代表的な施策】
-
- 商品・サービス紹介投稿(タイアップ)
- ハッシュタグキャンペーン
- フォロー/リポストキャンペーン
②Instagram
Instagramは、画像や動画を中心としたSNSで、美容・ファッション・旅行・グルメなど、視覚的な訴求と相性の良いプラットフォームです。フィード投稿やリール、ストーリーズ、ライブ配信など、さまざまな形式で情報を発信できるため、幅広いインフルエンサーマーケティング施策に活用されています。ショッピング機能や商品タグなどを活用することで、商品の発見から購入までスムーズに誘導できる点も特徴です。
- 【代表的な施策】
-
- 商品・サービス紹介投稿(タイアップ)
- アフィリエイト広告
- ギフティング
- イベント・体験レポート
- ライブ配信(ライブコマース)
- アンバサダー施策
- 商品監修(コラボレーション)
③TikTok
TikTokは短尺動画を中心としたSNSです。レコメンド機能(おすすめ表示)により、フォロワー数が少なくても多くのユーザーへリーチできる可能性があります。近年ではTikTok Shopの提供開始により、動画やライブ配信からそのまま商品を購入できる環境も整いつつあり、認知から購買までを一つのプラットフォーム内で完結できる点も特徴です。
- 【代表的な施策】
-
- 商品・サービス紹介投稿(タイアップ)
- アフィリエイト広告
- イベント・体験レポート
- ライブ配信(ライブコマース)
④YouTube
YouTubeは国内最大級の動画プラットフォームです。長尺動画によって商品やサービスの特徴や使用方法、レビューなどを詳しく紹介できるため、商品理解を深めたい場合に適しています。比較・検討段階のユーザーへ十分な情報を届けやすく、高価格帯の商品や専門性の高いサービスとも相性の良い媒体です。
- 【代表的な施策】
-
- 商品・サービス紹介投稿(タイアップ)
- アフィリエイト広告
- ライブ配信(ライブコマース)
- 商品監修(コラボレーション)
どのSNSにもそれぞれ特徴があるため、ユーザー層や商材、マーケティングの目的に合わせて媒体を選定することが重要です。
なお、活躍するインフルエンサーはそれぞれの媒体で異なりますが、複数のSNSで活動しているインフルエンサーも少なくありません。例えば、YouTubeとXの両方で多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーや、InstagramとTikTokを中心に画像・動画で高い発信力を持つインフルエンサーもいます。また、一人のインフルエンサーが複数のSNSで発信することで、認知拡大から購買まで、各フェーズでユーザーとの接点を設計しやすくなるケースもあります。
そのため、「Instagramを中心に活動しているインフルエンサーだからInstagramでしか施策ができない」と考えるのではなく、ターゲットとの接点や発信内容、各SNSでの影響力も踏まえながら起用するインフルエンサーを選定することが重要です。
インフルエンサーマーケティングの費用相場
続いては、インフルエンサーマーケティングの費用相場について解説します。
費用は施策内容やインフルエンサーの知名度・影響力、契約内容などによって大きく異なります。一般的にはフォロワー数を基準に報酬が設定されるケースが多いものの、投稿形式や媒体によって費用体系はさまざまです。
まずは、代表的な費用相場をご紹介します。
フォロワー数による費用の相場
インフルエンサーマーケティングでは、フォロワー単価1〜5円程度を目安として費用が設定されるケースが一般的です。
例えば、フォロワー数10万人のインフルエンサーへ依頼する場合、1投稿あたり10〜50万円程度が目安となります。
ただし、投稿形式によって単価が異なることもあります。投稿が動画の形式になると画像よりも撮影や編集に制作工数がかかるため、費用相場が少しアップする傾向があります。
- X、Instagram(フィード投稿)
- フォロワー数×1〜5円程度
- Instagramリール、TikTok、YouTube Shortsなどのショート動画
- フォロワー数×3〜5円程度
なお、上記はあくまで目安であり、すべての施策がフォロワー単価で決まるわけではありません。実際には、フォロワー数を基準とした報酬のほか、平均再生回数を基準とするケースや、企画・撮影・編集費を含めた料金設定や、成果報酬型、月額契約(アンバサダー施策)など、さまざまな費用体系が採用されています。
例えば、以下のように施策内容によって異なる費用体系となるケースもあります。
- YouTubeの通常動画
- 平均再生回数を基準に費用を設定するケースもあり、その場合は直近の平均再生回数×10〜15円程度が目安です。
- アフィリエイト広告
- 商品購入や申し込みなどの成果に応じて報酬を支払う成果報酬型が一般的です。成果地点や報酬額はASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)によって異なるため、事前に確認すると良いでしょう。
- ギフティング
- 商品提供を条件とする施策のため、主なコストは商品代や発送費となります。
その他費用
インフルエンサーへの報酬以外にも、施策内容によっては以下のような費用が発生する場合があります。
- キャスティング会社・広告代理店の手数料
- キャスティング会社や広告代理店へインフルエンサーの選定や交渉、進行管理などを依頼する場合、インフルエンサー報酬の20〜30%程度の手数料が発生するケースがあります。
- プラットフォーム利用料
- マッチングサービスやASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)などのプラットフォームを利用してインフルエンサーへ直接依頼する場合、月額利用料や成果報酬などが発生することがあります。
- 二次利用料
-
インフルエンサーが制作した投稿を自社サイトや広告クリエイティブなどで二次利用する場合は、別途利用料が発生するケースがあります。
※契約内容によっては、二次利用料がインフルエンサーへの報酬に含まれている場合もあります。
- 交通費・宿泊費
- イベントや店舗への来店、撮影などを伴う施策では、交通費や宿泊費が必要になることがあります。
インフルエンサーマーケティングの実際の流れ
インフルエンサーマーケティングで成果を上げるためには、事前準備から効果測定まで、一連の流れを意識して施策を進めることが重要です。
ここからは、インフルエンサーマーケティングを実施する際の一般的な流れをご紹介します。
①目的・KPIを設定する
まずは施策の目的を明確にします。認知拡大が目的なのか、購買促進が目的なのかによって、起用すべきインフルエンサーや活用するSNS、評価指標は大きく異なります。
- 【目的例】
-
- 認知拡大
- 購買・申し込み意欲の向上
- リード(問い合わせ・資料請求)の獲得
- コンバージョン(購入・申し込み)の獲得
- UGCの創出
KPI(重要業績評価指標)は、施策の成果を測るための指標です。認知拡大が目的であればリーチ数やインプレッション数、再生数などがよく活用されます。購買意欲の向上を目的とする場合はエンゲージメント数(いいね・コメント・保存など)やサイト流入数、コンバージョン獲得を目的とする場合はCV数(購入・申し込み件数)などを指標とすると良いでしょう。
マーケティングに欠かせない「潜在層」「顕在層」の理解とターゲティング戦略
マーケティングや広告業界でよく聞く「潜在層」や「顕在層」。言葉の意味や、どういったシーンで活用するかをご存知でしょうか?潜在層や顕在層の違いを理解することは、効果的なマーケティングを行う上で欠かせません。
②ターゲットを明確にする
インフルエンサーを通して、商品/サービスの情報を誰に届けたいのかを明確にします。年齢、性別、居住地、興味・関心などを整理し、具体的なターゲット像を設定しましょう。ターゲット設定が曖昧なまま施策を進めると、適切なインフルエンサーの選定や投稿内容の設計が難しくなり、成果につながりにくくなります。
ペルソナとは?
BtoCマーケティングで使うペルソナの概要と、メリットや設定する手順を解説
「ペルソナ」の設定は、企業が商品開発やPRを行う上で欠かせないプロセスです。顧客や見込み客の悩み・ニーズを正確に把握しながら事業を展開すれば、購入や契約、リピーター獲得等が効率よく進む可能性があります。
③適切なインフルエンサーを選定する
ターゲット層との親和性が高いインフルエンサーを選定します。この際、フォロワー数だけで判断するのではなく、フォロワー属性や発信内容、エンゲージメント率、過去のPR実績なども総合的に確認することが重要です。
自社でインフルエンサーを探して直接依頼する方法もありますが、キャスティング会社や広告代理店を活用する方法もあります。手数料などの費用は発生するものの、インフルエンサーの候補選定から条件交渉、スケジュール管理までサポートを受けられる場合があります。また、キャスティング会社や広告代理店はインフルエンサーとのネットワークを持っているため、施策をスムーズに進めやすい点もメリットです。
④企画・投稿内容を設計する
施策の目的を踏まえ、訴求ポイントや投稿形式を決定します。ここでは、必ず伝えてほしい情報やNG表現、レギュレーション(投稿時のルール)などを事前に整理しておくことが重要です。企業側の伝えたい情報を詰め込みすぎると、広告色が強くなり、ユーザーから敬遠されてしまう可能性があります。そのため、価格やキャンペーン情報などの客観的な事実は必須事項として共有し、それ以外の表現方法についてはインフルエンサーに委ねる形が望ましいでしょう。
- 【必ず入れるべき内容例】
-
- 価格・キャンペーン情報
- 商品の特徴
- 誘導先のサイト・LP
- 「PR」を含めたハッシュタグ
など
また、投稿前には投稿内容や公開スケジュール、PR表記などを双方で確認し、認識のズレがない状態で公開することも重要です。
企業が伝えたいポイントは押さえつつ、投稿内容にはある程度の自由度を持たせることで、第三者目線ならではの自然な発信になりやすく、インフルエンサーマーケティングの強みを活かせます。
⑤施策を実施する
投稿スケジュールに沿って施策を実施します。投稿後はSNS上での反応を確認し、コメントへの対応や追加情報の発信など、必要に応じて適宜フォローを行いましょう。また、炎上や誤解を招くコメントなどが発生していないかも確認しておくと安心です。
⑥効果測定・改善を行う
施策終了後は、事前に設定したKPIの達成状況を確認します。リーチ数やエンゲージメント数だけでなく、サイト流入数やコンバージョン数、売上への影響なども分析し、成果を振り返りましょう。
また、単発施策の結果だけで判断するのではなく、複数回の施策を通じて改善を重ねることで、より高い成果につながります。インフルエンサーや媒体の組み合わせ、投稿内容などを検証しながらPDCAを回していくことが重要です。
インフルエンサーマーケティングで成果を出すポイント
最後に、インフルエンサーマーケティングで成果を出すポイントをご紹介します。
①フォロワー数だけで判断しない
フォロワー数が多いからといって、必ずしも成果につながるとは限りません。商品/サービスとの親和性やフォロワーとの関係性なども含めて、総合的に判断することが重要です。
- 【チェックすべきポイント】
-
- フォロワー数
- 偽フォロワーが多くないか
- ターゲット層とフォロワー属性がマッチしているか
- エンゲージメント率(いいね・コメント・保存などの反応から、フォロワーとの関係性が築けているか)
- インフルエンサーの世界観や発信内容と商品/サービスとの親和性があるか
- 過去のPR投稿でも十分な反応が得られているか
- 過去に炎上歴やブランドイメージを損なう発言・行動がないか
②投稿の自由度を確保する
インフルエンサーマーケティングでは、ある程度投稿内容の自由度を確保することが重要です。企業側が投稿内容を細かく指定しすぎると、広告色が強くなり、不自然な投稿になってしまう可能性があります。企業側が伝えたい情報は整理したうえで、表現方法はインフルエンサーに委ねることで、第三者目線ならではの自然な発信になりやすく、ユーザーからの共感や信頼も得やすくなります。
③中長期的な施策として考える
多くの場合、単発の投稿だけでは大きな成果につながりにくいため、継続的に発信を行うことが重要です。定期的に露出することでブランド認知や信頼が蓄積され、ユーザーが商品・サービスを必要としたタイミングで、購入や申し込みにつながる可能性が高まります。
また、同じインフルエンサーを継続的に起用するアンバサダー施策は、ブランドイメージの定着やファン獲得にも効果的です。
④複数人起用する
認知拡大を目的とする場合は、一人のインフルエンサーだけに依頼するのではなく、複数人を起用することも検討しましょう。特にナノインフルエンサーやマイクロインフルエンサーを起用する場合は、一人あたりのリーチ数が限られるため、人数を増やすことでより多くのユーザーへアプローチできます。また、異なるジャンルやフォロワー層を持つインフルエンサーを組み合わせることで、幅広いターゲットへ認知を広げやすくなります。
⑤広告配信や他施策と組み合わせる
インフルエンサーによる投稿だけでは、アプローチできるユーザー層に限りがあります。そのため、SNS広告やリスティング広告、SEO、PR記事などの施策と組み合わせることで、より幅広いユーザーへリーチできます。
近年では、以下のようにインフルエンサーマーケティングと他施策を組み合わせた統合的なマーケティング施策も増えています。
- 【組み合わせ例】
-
- インフルエンサー投稿+SNS広告(投稿の広告配信)
- インフルエンサー投稿+SEOコンテンツ・オウンドメディア
- インフルエンサー投稿+ハッシュタグキャンペーン
- インフルエンサー投稿+ライブコマース
特に成果の良かった投稿を広告として配信することで、オーガニック投稿だけでは届かないユーザーにもアプローチでき、投稿の費用対効果向上も期待できます。
⑥投稿の二次利用を前提に設計する
インフルエンサーが制作したコンテンツは、SNSへの投稿だけでなく、自社サイトやLP、ECサイト、広告クリエイティブなどへ二次利用できる場合があります。あらかじめ二次利用を前提に契約・許諾を取得しておくことで、一つのコンテンツをさまざまな媒体で活用でき、施策全体の費用対効果向上につながります。
なお、二次利用には別途費用が発生するケースもあるため、契約時に利用範囲や利用期間を確認しておくことが重要です。
Web広告に欠かせないLP(ランディングページ)とは?
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まとめ
インフルエンサーマーケティングは、SNS時代において有効なマーケティング手法の一つです。適切なインフルエンサー選定や施策設計を行うことで、認知拡大や購買促進、UGC創出などさまざまな効果が期待できます。自社に適した施策を選択し、PDCAを回しながら成果につなげていきましょう。