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- 費用対効果で選ぶなら成果報酬型広告!初心者向けに仕組みや活用ポイントを解説

Web広告にはさまざまな種類がありますが、その中でも“成果が出たときだけ費用が発生する”という仕組みの「成果報酬型広告」が、今注目を集めています。
広告費のムダを抑えやすく、リスクも低くはじめられることから、多くの企業が導入を検討しています。
この記事では、成果報酬型広告の基本から、他の広告との違い、仕組み、メリット・デメリットまでを、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
成果報酬型広告とは?

成果報酬型広告とは、成果が出た際に費用が発生する仕組みのWeb広告の総称です。
成果とは、例えば商品が売れた、会員登録がされた、資料請求が行われたなど様々なものがあり、広告出稿の目的やビジネスモデルに応じて設定されます。仮に商品購入を成果地点として、1件あたり1,000円を支払うと設定した場合、広告経由で10件商品購入されれば、10件×1,000円=10,000円を広告掲載先(媒体様)に支払うことになります。
逆を言えば、成果がなければ広告費を支払う必要がないことから、「費用対効果の高い広告」と言われています。この”費用対効果が高い”とはどういうことか、Web広告の課金モデルの種類やその違いから説明します。
他のWeb広告との違い
Web広告には成果報酬型のほかにも様々な課金モデルがあり、その違いによって成果報酬型広告とその他の広告の違いを説明することができます。成果報酬型以外の代表的な課金モデルで言うと、掲載期間に対して支払うモデルや、ディスプレイ広告などで使われるインプレッション課金、リスティング広告で採用されているクリック課金などが挙げられます。
- 掲載期間保証型課金(Cost Per Day)
- 掲載期間に応じて広告費を支払う課金形式。広告枠のPV数などによって1ヶ月数十万〜数千万など。CPD課金。
- インプレッション課金(Cost Per Mile)
- インターネットユーザーに対して広告が表示された回数に応じて広告費がかかる課金形式。1,000回表示で数百円程度が相場。CPM課金。
- クリック課金(Cost Per Click)
- インターネットユーザーから広告がクリックされた回数に応じて広告費がかかる課金形式。1クリック数円〜数百円程度が相場。CPC課金。
これらの課金モデルは、広告の掲載や表示、クリック時点で費用が発生するため、商品購入や資料請求などの有無にかかわらず広告費を支払うことになります。それに対して成果報酬型広告は、広告の掲載や表示、クリックではコストが発生せず、成果=ユーザーのアクションがあった場合のみ支払いが生じます。つまり、どの段階で広告費が発生するか?をまとめると、一番成約に近いアクションに対して投資できるのが成果報酬型広告の最大の特徴となっています。
- 成果報酬課金(Cost Per Action/Acquisition)
- 広告の成果(商品購入、資料請求等)が発生した回数に応じて広告費がかかる課金形式。CPA課金。

CPA(顧客獲得単価)って何?活用方法や目標設定方法をご紹介
Web広告を扱っていると出てくる言葉「CPA」。似たような単語も多く、実際正しく使えているのか不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。CPAは広告の効果を計る上で重要な指標の一つです。これからWEB広告を出稿する方や出稿を開始したばかりの方、知識に不安がある方など、今後効果的な広告運用を目指すご担当者様にご参考いただけますと幸いです。
成果報酬型広告の”成果”は任意で自由に設定できるため、言い換えれば「成果にコミットしてはじめて広告費がかかる」とも言えます。その点で、「費用対効果が高い」と言われています。
ただし、他の課金モデルが「費用対効果が悪い」と言いたいわけではありません。どの広告にも強みがあり、広告の目的やターゲットによって使い分けられていることがほとんどです。クリック課金であるリスティング広告は検索エンジン経由の集客に欠かせませんし、たくさんの人に見てほしい広告には掲載期間保証型やインプレッション課金が適しています。運用次第ではどれも費用対効果を最大化できますので、それを理解した上で、自社に適した広告手法を選んだり、複数広告をかけ合わせて出稿し、相乗効果を狙うことが重要です。
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Web広告とは?12つの種類とその特徴をご説明
Web広告は広告の一種で、ネット上のWebメディアやアプリ等に掲載される広告の総称です。インターネット広告、オンライン広告などとも呼ばれます。
成果報酬型広告とアフィリエイト広告の違い
成果報酬型広告と合わせてよく聞く言葉「アフィリエイト広告」。両者は混同して捉えられていますが、違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、成果報酬型広告とアフィリエイト広告はほとんど同義で用いられており、アフィリエイト広告=成果報酬型広告という認識でも間違いではありません。ただし、アフィリエイト広告以外でも「成果に応じて広告費を支払う」仕組みの広告があり、それも「成果報酬型広告」ということがあります。つまり、成果報酬型広告のほうがより広義を指しており、アフィリエイト広告は成果報酬型広告の一種と捉えることもできます。
■アフィリエイト広告とは?
インターネット広告の一種で、あらかじめ設定した成果(商品購入、資料請求、会員登録など)が発生した場合にのみ、報酬を支払う成果報酬型の広告手法。外部のブログやWebサイトなどを活用して、自社の商品/サービスを紹介してもらう掲載方法が特徴。

【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告とは?概要をわかりやすく解説
アフィリエイト広告とはWeb広告の一つで、成果報酬型の広告です。Web広告は掲載することで費用が発生するものや、ユーザーへ広告が表示されたら費用が発生するものなど、種類と費用形態が様々あります。
■成果報酬型広告とは?
成果に応じて費用が発生する広告の総称。第三者媒体に商品/サービスを紹介してもらうアフィリエイト広告をはじめ、動画視聴やアプリインストール等でユーザーがインセンティブをもらえるリワード広告など、取り組みの契約が「成果報酬」であればすべてが該当。
アフィリエイト広告の「アフィリエイト」は本来”提携”の意味で、外部の媒体様と提携して第三者目線でPRを行ってもらえることが最大の特徴です。その費用形態が成果報酬型で支払われるため、成果報酬型広告とほぼ同義で扱われるようになりました。
アフィリエイト広告以外の成果報酬型広告でいうと、広告主様の自社広告を広告代理店が成果報酬の契約で運用してくれるケースなども該当します。また、先の説明ではクリック課金と成果報酬型課金の違いを解説しましたが、ある場合においてはクリックを=成果として定めて広告出稿することもあります。その際は、クリック課金でもある意味、成果報酬型広告と捉えることもできそうです。このように、成果報酬型広告という言葉は広い意味で使うことができるので、厳密に言うとアフィリエイト広告とは少し異なった概念になります。
成果報酬型広告の仕組み
成果報酬型広告は、任意で設定したユーザーのアクションを”成果”として広告費が発生しますが、商品購入や資料請求などのアクションはどのように計測しているのでしょうか?
その仕組みを簡単に言うと、Cookie情報やURLパラメータなどを活用して、どのサイトで誰が申込みをしたか?を追跡(トラッキング)することで成果を計測しています。アフィリエイト広告では、ASP(Affiliate Service Provider)がその役割を担っています。

アフィリエイト広告を扱うASPの概要と利用するメリットを解説
Webマーケティング業界にいると耳にする「ASP」。皆様は言葉の意味をご存知でしょうか?ASPは、アフィリエイトサービスプロバイダーを指す場合と、アプリケーションサービスプロバイダーを指す場合と主に2つのパターンがありますが、今回は前者であるアフィリエイトサービスプロバイダーについて、説明させていただきます。ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)が具体的にどんなものかわからない、どんな仕組みか知りたいという方に、参考にしていただければと思います。
ASPの計測タグやソケット通信などの技術を使い、ASPと広告主様のサイトをシステム連携すれば、以下のような計測が可能になります。
- 【成果計測の簡単な流れ】
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- ユーザーが、アフィリエイト広告をクリック
- クリック時に「どの媒体経由か」を示す目印(Cookie等)が記録される
- ユーザーが申込みを行う
- 申込み完了ページ到達でASPに「この媒体の成果」と通知される
- ASPに成果と報酬が反映される
大枠としては上記のとおりですが、成果の計測方法はいくつかあり、広告主様の対応できる範囲やASPによって推奨される計測方法が異なるので、成果報酬型広告を出稿したい際は、広告代理店やASPに確認するのがおすすめです。
成果報酬型広告のメリット

成果報酬型広告は、広告主様にとって以下のようなメリットがあります。
①無駄な広告費が発生しにくい
商品購入や資料請求など、あらかじめ定めた条件に該当する成果が出た場合にだけ課金されるため、費用対効果が明確で、広告費の無駄が発生しにくいのがメリットです。
②初期費用が抑えられる
広告費を先に大きく投資する必要がないため、少額からでも始めやすいのが特徴の一つです。例えば掲載期間保証型の純広告や、出稿に際して先入金が必要な広告は数十万単位のまとまった費用が発生することも多いですが、成果報酬型広告は1件あたり◯円と単価を設定して後払いで出稿できます(※)。そのため、初期費用が抑えやすく、広告主様にとってリスクの少ない広告手法として広く活用されています。
※代理店やASPによっては初期費用やデポジットが必要な場合があります。
③代理店や媒体側と協力体制が築きやすい
成果報酬型広告は、代理店やASP、媒体側の収益が「成果ベース」で決まるため、ビジネスパートナーと一緒に成果の最大化を目指しやすい体制を築くことができます。先に広告費を支払っても効果が出なかった、というリスクがなく、代理店や媒体側も広告主様と同じ目線で取り組めるため、非常にフェアな収益構造と言えます。
このような特徴から成果報酬型広告は、広告予算がそこまで取れない中小企業にとっては比較的リスクが低く、はじめやすい広告手法と言えます。またすでに様々な広告に取り組んでいる企業様にとっても、成果に対しての費用(CPA)が一定でコストが読みやすいため、リスクを減らしながら販路を増やしたい際に有効です。

【広告出稿を検討中の方向け】
アフィリエイト広告の掲載先はどこ?種類や特徴まとめ
アフィリエイト広告は成果報酬型の広告で、掲載先の媒体様が出した「成果」の数に応じて広告費が発生します。何を「成果」とするのか(成果地点)や、その成果にいくら支払うのかを広告主様が自由に決めて広告出稿ができるため、Web広告の中でも費用対効果が高く低リスクな広告手法です。
成果報酬型広告のデメリット
成果報酬型広告にはメリットが多い一方で、注意点もいくつか挙げられます。
①ユーザーの質を担保する成果条件の設定が難しい
成果報酬型広告では「何をもって成果とするか」を明確に決める必要があり、この条件設定を誤ると、思ったような効果が得られないこともあります。例えば無料会員登録や資料請求などのリード獲得を成果に設定して出稿した場合、有料会員になってもらうためのアプローチや仕組みまでを検討しなくては、広告費だけかかって収益につながらなかったなどの結果になる可能性もあります。成果を増やすことだけに注力せず、成果報酬型広告から集めたユーザーがどれくらい自社収益に貢献しているかを合わせて計測して、適切な成果条件を見定めましょう。

【広告主様向け】
成果地点って何?概要や成果増加のための工夫を紹介
アフィリエイト広告を扱っていると耳にする言葉「成果地点」。他のWeb広告ではあまり使わない言葉のため、意味や概念が分からず戸惑う方も多いのではないでしょうか。今回はアフィリエイト広告を開始したての広告主様、これから始める広告主様に向けて成果地点について解説しますので、言葉の意味を理解していただき、Webマーケティングの役に立てていただけると幸いです。
②報酬単価の調整が必要
成果報酬型広告では成果が出なければ媒体側の収益が0のため、掲載条件によっては掲載サイトが増えないこともあります。媒体様ごとに適切な成果単価を設定する調整が必要になる状況も多く、その点、コミュニケーションや運用に少し手間がかかることもあります。
③成果が出るまでに時間がかかる場合がある
成果報酬型広告は、掲載条件(成果単価など)によって掲載の可否や取り組みの優先順位を決められることがあります。そのため掲載まで時間がかかることも多く、効果の即効性はあまり高くないことも少なくありません。長期的な視点で運用が必要になりますので、その前提で戦略を立てることが重要です。
このようないくつかのデメリットも理解した上で、適切な運用体制を整えることが重要です。なお、報酬単価の設定については以下の記事も参考にしていただけるかと思いますので、合わせてご覧ください。

アフィリエイトの特別単価って何?意味や活用方法をご紹介
アフィリエイト広告業界で日常的に使われる用語「特別単価」。広告主様にとっては一見さらに広告費がかかってしまうネガティブなものと捉えられるかもしれませんが、アフィリエイトマーケティングにおいて成功の鍵を握る重要な役割を担っています。
成果報酬型広告で成果を出すポイント5つ

先に説明したデメリットも踏まえ、成果報酬型広告で成果を出すポイントをいくつかご紹介します。
①成果報酬型に適した商材かを確認する
成果報酬型広告はどんな商材でも出稿できる広告ですが、向いている商材と向いていない商材があります。これは主に、商材の収益構造、購買までのハードル、ターゲット層の行動パターンなどによって左右されます。そのため、自社で扱う商品/サービスが、成果報酬型の課金モデルに適しているか?確認の上、出稿を検討することをおすすめします。大体の商材には適していますが、なかには成果の獲得があまり期待できない商材もあります。
- 【成果報酬型広告に向かない商材例】
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単価が極端に低い商材(数百円の雑貨、低価格の日用品など)
1件あたりの報酬が低くなり媒体様が取り組みづらいため -
購買ハードルが高い商材(不動産、車、BtoBの高額商品など)
検討期間が長く成果が出るまで時間がかかる、Web上で購入完結が難しいため -
ブランド戦略重視の商材(高級ブランド品など)
媒体様側で自由に表現して成果を獲得することが難しいため
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単価が極端に低い商材(数百円の雑貨、低価格の日用品など)
ただし、いずれについても成果条件や運用方法によっては成果報酬型広告でうまくいく可能性もあります。まずは広告代理店やASPに相談してみるのも一つです。
②媒体様の収益も考えた成果条件を設定する
成果報酬型広告は費用対効果の高さが人気の広告ですが、あまり低い報酬単価を設定すると、掲載が思うように増えない可能性があります。広告予算はできる限り抑えたいものですが、掲載や成果を継続的に増やしていくには、代理店や媒体様側にとって魅力的な成果条件を定めるのがポイントです。目安や相場は商材や成果地点によって異なりますので、広告代理店やASPの担当者に相談してみてください。
成果報酬型広告では媒体様側の協力を得ることが成功の一つのポイントです。以下の記事では、アフィリエイト広告において掲載を増やす重要な考え方を説明していますので、合わせてご覧ください。

【広告主様向け】
アフィリエイトの媒体様が広告を選ぶ基準を学ぼう
アフィリエイト広告を開始してからしばらく経っても、当初思っていた通りに掲載が進まない、もしくは毎月一定数の成果件数から更に伸ばしたいけどどう運用すれば良いか分からない、そんな広告主様もいらっしゃるのではないでしょうか。
③依頼先(広告代理店、ASP)のサービス・実績を確認して申し込む
成果報酬型で広告に取り組む場合、広告代理店やASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)などの外部パートナーに依頼することが通例です。広告代理店やASPは、サービス内容や得意分野、料金体系がそれぞれ異なるため、実績も含めてしっかり確認した上で契約することが重要です。例えば金融系と物販系の商材では、成果を伸ばすためのポイントや有効な媒体が大きく異なるためです。金融系の商材を出稿したいのであれば、金融系の商材で実績やノウハウのある広告代理店、ASPに出稿の相談をしてみましょう。
④成果が出やすい広告素材(LPやバナー)を用意する
成果報酬型広告では、成果に繋がりやすい訴求を意識した広告素材を用意することが重要です。「成果に繋がりやすくする」とは、例えば以下のような工夫を指します。
- 商品特徴やベネフィットをまとめたLPを制作する
- LP上で成果(商品購入、資料請求など)までの申込み動線を簡素化する
- 申込みハードルを下げる文言(例:簡単3分で申込み完了、まずは無料カウンセリングから)をLPやバナーに入れる
など

バナーとは?意味や役割・種類など、基本を初心者様に向けて解説
Webサイト制作や、広告に欠かせない「バナー」。マーケティングのご担当者様やWeb制作が初めての方の中には、「作ることになったけど、どういうものを作れば良いか分からない」「そもそも言葉の意味が分からない」など、様々な悩みがあると思います。

効果的な広告を運用する為のLP構成と制作方法
前回の記事ではLPの基本的な知識と、メリット・デメリットについて触れました。今回は、LPの作成を検討している方に向けて、構成や作り方の手順について解説します。見た方を引き付ける効果的な構成を知り、より広告効果の高いLPを作りましょう。
また、ターゲット層の悩み別にいくつかの広告素材を用意したり、月ごとにキャンペーンを実施するなどの方法も効果的です。ユーザーがアクションを起こしやすいような素材や特典を用意して、成果発生がしやすくなるよう工夫しましょう。
⑤効果分析や改善を繰り返す
成果報酬型広告は出稿開始して終わりではなく、成果が増えるまで継続的な運用が必要です。Web広告全般はトレンドや市況の移り変わりが激しいため、適切な条件を定めて出稿したつもりでも、思ったより掲載数・成果数が増えないということはあります。そのため、定期的に数値推移をウォッチして、素材や掲載条件などを見直していくことが重要です。成果報酬型であればリスクなく開始できるので、まずは出稿してみて1〜3ヶ月程効果を見ながら、改善のための数値分析に着手してみてください。
まとめ
成果報酬型広告は、成果が出たときだけ費用が発生するため、どんな企業様にも導入しやすいWeb広告の一つです。他の広告と比べて無駄なコストを抑えられる費用対効果の高さが魅力的な一方、成果条件の設定や報酬単価の調整など、注意すべきポイントもあります。手法や運用の注意点などを正しく理解して活用することで、より効果的な集客や販促につなげていきましょう。